DPCデータを用いた病院指標について

DPC(診断群分類別包括制度)とは診断群分類に基づく急性期医療に対する包括点数評価であり、入院における主要疾患、合併症、手術や処置の有無、重症度などにより分類されます。こちらに示す病院指標は2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)に当院を退院された患者さんのDPCデータを集計の対象にした厚生労働省が定める公開指標になっております。但し、自動車賠償責任保険や労災保険、分娩等の自費、24時間以内の死亡、新規高額薬剤使用の場合や回復リハビリ病棟などの急性期医療を提供する病棟以外での入院および厚生労働大臣が定める特定の手術、処置等につきましてはDPC対象外となりますので、公開指標の集計からは除外されることになります。

2023年度 大津赤十字 病院指標

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,408 295 324 504 704 1,325 2,275 4,306 3,056 787

 

この表は年齢階級別(10歳刻み)の患者数を示しています。90歳以上は1つの階級としています。年齢は入院時の満年齢です。若年層では小児期の患者さんが多く、総合周産期母子医療センターおよび小児救急医療事業拠点病院であるため、新生児・小児科診療に力を入れています。それ以降の年齢層では年齢が上がるごとに上昇カーブを描き、70歳台でピークとなります。70歳台以上で全体の約5割の患者数を占めます。がん診療連携拠点病院、地域医療支援病院、高度救命救急センター機能を有しており新生児から高齢者の方まで幅広い年齢層に医療を提供していることが分かります。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 440 2.23 2.61 0.00% 69.24  
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 267 8.71 8.75 2.25% 75.62  
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 58 6.69 7.58 1.72% 70.67  
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 53 7.94 7.61 0.00% 74.77  
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2 なし 48 7.40 8.55 2.08% 74.98  

 

消化器内科に入院する症例で最も多いのは、大腸ポリープ(良性腫瘍)の内視鏡的治療(粘膜切除術、ポリペクトミー)です。早期の悪性腫瘍(癌)に対しては「大腸粘膜下層剥離術(ESD)」という治療法を導入し、大きな病変でも内視鏡的に切除しています。同様の手技は早期胃癌や早期食道癌に対しても行っており、消化管の早期癌治療は内視鏡的治療が主体となっています。 次に、胆石や総胆管結石、胆管炎といった胆道系疾患の治療です。胆嚢や、それに連なる胆管内に出来た結石が詰まる事によって強い痛みや、感染に伴う炎症を生じる疾患で、重症例では黄疸や敗血症を来して命に関わる事もある病気です。こうした病気は従来、手術による外科的治療が主流でしたが、最近では内視鏡を用いて詰まった管にチューブを留置したり、結石を取り除いたりして、多くの症例で手術をせずに治療できる様になりました。 また、加齢と共に大腸の粘膜に小さな小袋の様な窪み(憩室)が出来てくる事があり、時にここに感染を生じたり(憩室炎)、出血したり(憩室出血)する事があります。何れも突然発症するため救急対応を要する事が多い疾患ですが、当科では救命救急センターを介して24時間対応可能です。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 190 4.63 4.57 0.00% 67.41  
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 157 16.42 17.38 8.28% 84.58  
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 118 3.56 4.26 0.00% 72.41  
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 72 2.63 3.05 0.00% 73.01  
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 60 7.57 9.77 1.67% 83.10  

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
80.71   (全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 152 5.47 5.96 0.00% 1.02  
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし 134 4.93 5.86 0.00% 2.60  
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 111 5.27 5.62 0.00% 3.07  
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 86 5.44 6.37 0.00% 2.31  
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 56 4.25 5.64 0.00% 4.27  

 

小児科の疾病は急性感染症が多く、乳幼児が多いことがわかります。小さい時ほど、呼吸器感染症や消化管感染症が重症化しやすいと考えられていますが、当院では平均在院日数(入院日数)は、全国平均を下回っており、それほど長期の入院を必要としないことが分かります。ほとんどの患者さんは当院で退院まで治癒をうけられ、他院への転院は稀です。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 88 2.03 2.98 0.00% 73.65  
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 77 22.48 18.65 2.60% 74.52  
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 58 16.34 20.60 18.97% 85.62  
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 51 2.00 2.03 0.00% 55.71  
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 39 10.38 8.33 5.13% 71.54  

 

呼吸器内科では肺がんの検査、治療が上位を占めています。診断のための気管支鏡検査目的が最も多く、通常1泊2日の入院となります。肺がんの治療としては、手術、放射線治療、化学療法(抗がん剤)があります。手術を受け入れる等が増えており、診断群の患者数では1位になっています。肺がんのデータに関しては「初発の5大癌のUICC病期分類並びに再発患者数」もご参照ください。診断群の患者数で2番目に多かったのは誤嚥性肺炎でした。誤嚥性肺炎で入院される方は脳梗塞等の基礎疾患のある高齢者がほとんどで、このため重症の方、活動性の低下した方も多く平均在院日数が長くなっています。誤嚥性肺炎以外の肺炎の方も多いのですが、年齢、重症度によって診断群が細分化されていますので、患者数としては少なくなっております。肺炎のデータに関しては「成人市中肺炎の重症度別患者数等」もご参照ください。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 103 9.69 9.89 0.00% 71.22  
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 9.88 9.54 0.00% 28.00  
040200xx97x00x 気胸 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし  –   –  16.53  –   –   
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等  –   –  8.53  –   –   
040010xx97x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし  –   –  8.39  –   –   

 

呼吸器内科では肺がんの検査、治療が上位を占めています。診断のための気管支鏡検査目的が最も多く、通常1泊2日の入院となります。肺がんの治療としては、手術、放射線治療、化学療法(抗がん剤)があります。手術を受け入れる等が増えており、診断群の患者数では1位になっています。肺がんのデータに関しては「初発の5大癌のUICC病期分類並びに再発患者数」もご参照ください。診断群の患者数で2番目に多かったのは誤嚥性肺炎でした。誤嚥性肺炎で入院される方は脳梗塞等の基礎疾患のある高齢者がほとんどで、このため重症の方、活動性の低下した方も多く平均在院日数が長くなっています。誤嚥性肺炎以外の肺炎の方も多いのですが、年齢、重症度によって診断群が細分化されていますので、患者数としては少なくなっております。肺炎のデータに関しては「成人市中肺炎の重症度別患者数等」もご参照ください。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 120 4.08 4.55 0.83% 72.01  
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 66 14.74 15.12 0.00% 70.39  
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 61 7.07 6.87 0.00% 66.10  
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 52 5.67 5.98 0.00% 61.06  
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 44 19.09 18.01 2.27% 72.93  

 

当科では消化器癌手術をその対象の中心に据えており、中でも肝・胆・膵外科学会高度技能修練施設Aの要件(高難度肝胆膵手術を年間50件以上)を満たす肝臓・胆道・膵臓の癌手術の多さが特筆すべき特徴となりますが、DPCコードでは単純に疾患母集団の多さからヘルニアや虫垂炎などの良性疾患が上位にきていると捉えられます。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 216 22.38 25.50 65.28% 82.57  
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 81 3.57 4.76 1.23% 51.23  
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 51 20.25 19.55 43.14% 69.96  
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 51 20.75 21.96 62.75% 76.80  
160740xx01xx0x 肘関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 定義副傷病 なし 33 3.64 5.67 6.06% 41.15  

 

当院に高度救命救急センターがあるため整形外科では、骨折外傷を多く受け入れています。高齢化に伴い骨粗鬆性骨折、特に大腿骨頚部転子部骨折の入院が多くを占めています。受傷後はできるだけ早期に骨折手術や大腿骨人工骨頭挿入術を行っています。術後リハビリテーションを行っていますが、高齢で期間を要すため、大腿骨頚部骨折地域連携パスを利用しての連携病院への転院が多くなっています。外傷による前腕骨骨折での入院、予定手術として変形性股関節症や変形性膝関節症の人工関節置換術の患者数が次いでいます。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 67 5.94 6.00 0.00% 48.39  
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 36 10.53 9.34 0.00% 35.00  
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 36 5.11 5.93 0.00% 47.31  
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 35 2.46 2.78 0.00% 51.31  
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 35 7.86 10.10 0.00% 54.77  

 

産婦人科の入院における最も多い疾患は、卵巣の良性腫瘍で手術を行うものになっています。また総合周産期母子医療センターである当院では、切迫早産を管理する(安静と子宮収縮抑制剤投与)目的で入院された患者さんも多く、切迫早産の管理目的で入院し、最終的に経腟分娩を行った患者さんと、帝王切開分娩を行った患者さんとの平均在院日数を比べると、経腟分娩の方が長くなっています。これは妊娠が長期化して妊娠満期に近づくほど、経腟分娩が出来る症例が多くなることを示していると思われます。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 168 2.09 2.44 0.00% 71.22  
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 90 4.33 6.85 0.00% 76.72  
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 71 3.89 5.22 0.00% 65.04  
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 54 3.91 6.59 0.00% 72.24  
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 40 11.05 11.19 0.00% 68.38  

 

泌尿器科の入院における最も多い疾患は、前立腺癌で次に膀胱癌、その次に上部尿路結石です。その他、下部尿路結石、腎がん、前立腺癌など悪性腫瘍の疾患を数多く診察しています。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1 なし 50 6.80 7.94 0.00% 60.52  
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 41 4.24 6.02 0.00% 59.24  
03001xxx0200xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 33 10.03 12.84 0.00% 68.18  
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 32 5.31 5.51 0.00% 43.81  
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 23 5.04 6.75 0.00% 63.22  

 

脳神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060×2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 101 15.57 15.70 30.69% 75.55  
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 54 9.07 7.20 5.56% 68.04  
010060×2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 45 22.64 15.57 35.56% 77.98  
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 手術・処置等2 なし 36 9.25 6.25 5.56% 74.03  
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2 なし 15歳以上 24 13.38 16.56 0.00% 49.00  

 

脳神経内科に入院される症例で最も多い疾患は、脳梗塞です。入院後、急性期の治療を行うとともに、早期からリハビリを開始しています。入院中には、脳梗塞の危険因子の検査も行い、今後の予防に役立てています。退院後は、当科あるいはかかりつけ医にて、治療を継続しますが、他施設に転院してリハビリを継続することもあります。脳梗塞は再発することがありますので、しっかり予防することが大切です。

血液内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 37 10.62 9.62 0.00% 70.08  
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 9あり 23 14.61 12.88 0.00% 72.70  
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等2 5あり 22 23.73 16.12 0.00% 72.32  
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 5あり 21 19.14 19.61 0.00% 67.19  
130030xx99x0xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 なし 20 8.10 9.08 5.00% 72.30  

 

当院は地域の基幹病院として、幅広い医療ニーズに対応してきております。血液内科としても同様、地域の血液疾患の拠点として、フロントラインの血液学を展開しております。従って、年齢構成は幅広く、平均在院日数は患者さんの平均的な全身状態に依存して、やや長い目になっております。DPC入院は非ホジキンリンパ腫が上位を占めております。当科の基本方針として、リンパ腫に対する1サイクル目の化学療法は入院にてCHOPを中心とする標準化学療法を行い、外来での化学療法が可能と判断された患者さんについては、ご希望などを相談の上、外来化学療法を実施しております。B細胞性リンパ腫の患者さんはともかく、T細胞性リンパ腫の患者さんはリツキサンを併用することがないので、1位と4位の差はB細胞性かT細胞性かの差であります。また、強力な化学療法を実施せざるを得ない患者さん、または再発・難治性の患者さんに対しては濃厚血小板などの輸血を実施することが多いのでDPCとしてはこのようなデータになっております。

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160780xx97xx0x 手関節周辺の骨折・脱臼 手術あり 定義副傷病 なし 41 2.56 4.04 0.00% 45.10  
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 36 2.92 4.76 0.00% 60.67  
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし 29 4.14 5.14 0.00% 56.76  
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 21 6.57 7.22 0.00% 77.48  
160610xx97xxxx 四肢筋腱損傷 その他の手術あり 20 6.40 8.90 0.00% 50.50  

 

形成外科では、以前より皮膚腫瘍、皮膚悪性腫瘍、軟部腫瘍について近隣の医療機関から多くの患者さんを紹介して頂いております。手外科については、従来の手関節周辺の骨折等外傷、手足先天異常に加え、高齢化社会に伴う変性疾患が増加しております。三角線維軟骨複合体損傷に対する関節鏡下手術、母指CM関節症に対する関節形成術、PIP関節変形性関節症に対する人工関節置換術、手根管症候群、肘部管症候群に対する紋扼解除術や腱移行による機能再建術が増加してきております。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 50 20.80 19.09 78.00% 72.26  
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 44 9.93 8.38 11.36% 68.95  
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 44 10.00 9.88 18.18% 76.80  
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 25 8.56 11.87 16.00% 83.08  
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 22 24.86 22.61 72.73% 76.95  

 

当院は高度救命救急センターが併設されているため、脳卒中や頭部外傷の救急搬送を多く受け入れています。このため、脳神経外科の入院症例は脳出血と頭部外傷が多くなっています。脳出血は小さいものであれば手術を行いませんが、出血が大きく意識障害等を生じていれば、主に内視鏡を用いて血腫を取り除く手術を行っています。 頭部外傷も頭蓋内の出血で意識障害等を起こしていれば、開頭術による血腫除去等を行っています。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 439 2.45 2.54 0.23% 74.74  
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 313 4.61 4.46 0.32% 76.10  
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 58 9.72 7.81 0.00% 63.41  
020290xx97xxxx 涙器の疾患 手術あり 54 5.24 4.48 0.00% 71.31  
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 33 5.76 5.67 0.00% 70.03  

 

眼科では白内障の手術(片目)が最も多くなっております。白内障の片眼の場合は3日程度の入院になります。両眼の手術の場合には手術日を3日程度あけるために1週間程度の入院になります。網膜剥離や黄斑上膜(前膜)、黄斑円孔、糖尿病網膜症といった網膜疾患の治療のための入院や、流涙に対する治療となっています。網膜剥離や黄斑円孔に対しては手術をするだけではなく、術後のうつむき姿勢を続けることで治癒を目指す必要があるために、入院期間が2週間程度になりますが、網膜剥離のない糖尿病網膜症や黄斑前膜では1週間程度、流涙の手術では数日程度で退院することが可能です。網膜疾患は失明に直結することがある重篤な疾患で、特に網膜剥離は進行がはやいものが多いために、外来受診の当日~数日以内に入院することを勧めています。流涙は失明に至ることはない疾患ですが、加齢とともに発症するだけではなく、がんの治療の副作用で発症することもあり、それぞれに最適な時期での治療を行うようにしています。

糖尿内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 88 11.10 13.99 0.00% 71.26  
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 なし 42 9.64 10.66 0.00% 62.93  
10008xxxxxx1xx その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 27 15.00 19.00 7.41% 70.89  
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし  –   –  13.15  –   –   
100210xxxxxxxx 低血糖症  –   –  6.80  –   –   

 

糖尿病・代謝内分泌内科では、糖尿病患者の入院が最も多く、診療所の先生方からのご紹介や検診で指摘された糖尿病患者さんについて、糖尿病のタイプ、程度、合併症等の評価を行い、患者さんひとりひとりに一番適した治療法を選択しています。2型糖尿病が最も多いのですが、内分泌疾患などによるその他の糖尿病の診断、治療にも力を入れています。基幹病院として、軽症から重症まで幅広く対応しています。 その他、内分泌学会の指導医が甲状腺疾患、副腎疾患、下垂体疾患などの内分泌疾患の診療にあたっています。

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 21 1.67 2.61 0.00% 65.90  
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 14 18.43 21.53 0.00% 73.79  
050161xx97x1xx 大動脈解離 その他の手術あり 手術・処置等2 1あり  –   –  28.09  –   –   
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 1あり  –   –  19.20  –   –   
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし  –   –  10.42  –   –   

 

小児外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 58 2.09 2.75 0.00% 3.48  
060170xx02xx0x 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 定義副傷病 なし 19 2.00 6.86 0.00% 2.16  
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 14 5.43 5.29 0.00% 10.79  
11013xxx99xxxx 下部尿路疾患 手術なし 13 1.00 9.55 0.00% 1.62  
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 10 2.40 2.97 0.00% 1.90  

 

小児外科の入院で最も多い疾患は鼠径ヘルニア(だっちょう)です。また当科では、虫垂炎は医療被曝を考慮し、腹部超音波での検査をまず行っています。次に多い疾患は、停留精巣です。精巣の機能が低下する前の手術が必要です。

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 23 7.83 9.29 0.00% 74.57  
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 14 9.50 12.88 0.00% 69.36  
080100xxxx0x0x 薬疹、中毒疹 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし  –   –  10.61  –   –   
080190xxxxxxxx 脱毛症  –   –  3.31  –   –   
080105xxxxx0xx 重症薬疹 手術・処置等2 なし  –   –  17.82  –   –   

 

皮膚科で最も多い症例は、帯状疱疹で外来通院にて抗ウイルス薬経口投与により治療することも可能ですが、例えば、免疫力の低下する基礎疾患をお持ちの患者さんのように症状の重症化が危惧される場合などには、入院のうえで抗ウイルス薬の点滴治療を行います。また髄膜炎や顔面神経麻痺などの合併症が生じた場合には、神経内科や耳鼻科などと連携して治療を行います。

腎臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 50 4.32 6.44 0.00% 59.70  
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 33 10.73 11.49 0.00% 76.33  
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 18 17.11 17.38 16.67% 81.56  
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 なし 18 16.33 19.94 0.00% 64.17  
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 6.71 7.57 5.88% 73.47  

救急科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 21 3.38 3.62 9.52% 37.76  
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2 なし  –   –  2.86  –   –   
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし  –   –  8.38  –   –   
180010x0xxx2xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 2あり  –   –  31.28  –   –   
161020xxxxx00x 体温異常 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし  –   –  6.60  –   –   

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 75 14 23 62 62 17 1 8,7
大腸癌 44 46 83 87 28 38 1 8
乳癌 40 59 16  –  17 21 1 8
肺癌 69 25 58 155 26 58 1 8,7
肝癌  –  10 16  –  21 33 1 8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 25 10.12 54.92
中等症 116 15.06 79.28
重症 57 19.28 82.72
超重症 13 33.15 82.15
不明

 

脳梗塞のICD10別患者数等

傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
脳梗塞 3日以内 332 21.04 78.65 33.88%
その他 37 17.03 75.22 2.98%

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 469 0.44 1.32 0.21% 69.80  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 188 1.35 9.94 4.79% 77.09  
K654 内視鏡的消化管止血術 81 0.88 10.56 16.05% 74.73  
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 70 1.09 4.06 1.43% 71.66  
K6852 内視鏡的胆道結石除去術(その他) 等 64 1.00 3.47 1.56% 71.80  

 

消化器内科で行われる内視鏡治療で最も多いのは、大腸ポリープ(良性腫瘍)の内視鏡的切除です。主として、平らな病変に対しては粘膜切除術(EMR)、茎のある病変に対してはポリープ切除術(ポリペクトミー)という方法が行われます。また、非常に大きな早期の悪性腫瘍(癌)に対しては「大腸粘膜下層剥離術(ESD)」という方法がとられます。何れの方法も安全性の確立された手技となっており、身体的な負担も少なく、術後早期での退院が可能です。胃や食道など、他の消化管の早期癌に対しても、同様の手法を用いた内視鏡的治療が主体となっています。 また、結石や腫瘍(癌)などによって閉塞してしまった胆道(胆汁の通り道)に、内視鏡的にチューブを通して胆汁の流出を回復させる「内視鏡的胆道ステント留置術」も数多く行っています。胆道閉塞に伴う感染により胆管炎を生じている場合、緊急的な処置が必要ですが、当科では3次救急病院として24時間対応可能な態勢を整えて、多くの病院からの救急搬送にも対応しています。結石は高齢者に多いため、処置後に元々居られた療養型病院へ戻られる方も多く、転院率が高めになります。また、癌などではステント留置後に外科的手術を行うため、術後日数が長くなります。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 等 731 0.26 2.09 0.27% 75.25  
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 等 124 0.55 6.29 0.00% 66.88  
K204 涙嚢鼻腔吻合術 38 0.92 3.84 0.00% 71.68  
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 等 35 0.71 3.17 0.00% 70.71  
K2682イ 緑内障手術 流出路再建術 眼内法 等 19 0.37 4.63 0.00% 74.21  

 

眼科の入院患者数を手術別に見ると、白内障手術が一番多く、次に網膜剥離や黄斑上膜(前膜)、黄斑円孔、硝子体出血(糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症)に対する硝子体手術が多く、次に流涙に対する手術の中でも涙嚢鼻腔吻合術を多く施行しています。白内障手術は片眼の手術の場合には数日程度の入院、両眼の手術の場合には手術日を3日程度あけるために1週間程度の入院になります。網膜剥離や黄斑円孔に対しては手術をするだけではなく、術後のうつむき姿勢を続けることで治癒を目指す必要があるために、入院期間が2週間程度になりますが、網膜剥離のない糖尿病網膜症や黄斑前膜では1週間程度、流涙の手術では数日程度で退院することが可能です。網膜疾患は失明に直結することがある重篤な疾患で、特に網膜剥離は進行がはやいものが多いために、外来受診の当日~数日以内に入院することを勧めています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 等 116 1.07 4.87 0.86% 64.12  
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 等 71 0.86 2.14 1.41% 73.00  
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 等 57 2.60 12.02 0.00% 70.47  
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 50 1.00 2.20 0.00% 70.74  
K4762 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 等 41 1.00 4.10 0.00% 65.71  

 

当科では消化器癌手術をその対象の中心に据えており、中でも肝・胆・膵外科学会高度技能修練施設Aの要件(高難度肝胆膵手術を年間50件以上)を満たす肝臓・胆道・膵臓の癌手術の多さが特筆すべき特徴となりますが、DPCコードでは単純に疾患母集団の多さからヘルニアや虫垂炎などの良性疾患が上位にきていると捉えられます。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 173 2.46 16.68 53.18% 81.30  
K0821 人工関節置換術(股) 等 110 1.69 18.24 52.73% 72.55  
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 82 0.98 5.84 8.54% 61.02  
K0811 人工骨頭挿入術(股) 等 61 3.95 20.84 75.41% 85.13  
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) 等 43 0.02 2.67 2.33% 43.98  

 

当院に高度救命救急センターがあるため整形外科では、骨折外傷を多く受け入れています。多発外傷も多いのですが、骨粗鬆性骨折も多くみられます。受傷後はできる限り早期に骨折観血手術や大腿骨頚部骨折であれば大腿骨人工骨頭挿入術を行っています。骨折外傷ではリハビリテーションに期間を要すため、手術後患者さんの過半数、主に大腿骨頚部骨折転子部骨折の手術後はリハビリテーションのため、地域連携パスを利用した連携病院への転院が多くなっています。予定手術として変形性股関節症や変形性膝関節症の人工関節置換術も多く行っています。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 等 63 1.00 3.92 0.00% 48.17  
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 等 59 7.58 7.31 0.00% 34.61  
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 等 58 9.26 7.59 0.00% 33.03  
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 等 42 1.00 4.10 0.00% 48.31  
K872-31 子宮内膜ポリープ切除術(電解質溶液利用) 等 37 0.76 0.70 0.00% 52.19  

 

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 等 144 0.59 2.58 0.00% 75.44  
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 等 62 0.53 2.69 0.00% 64.23  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 53 1.06 10.60 5.66% 68.55  
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 等 39 1.87 8.13 0.00% 68.62  
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 等 21 1.00 5.24 0.00% 75.10  

 

泌尿器科の入院における最も多い手術は、膀胱癌に対する膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)です。次に尿管狭窄に対する経尿道的尿管ステント留置術です。次に多い手術は、上部尿路結石に対する経尿道的尿路結石除去術です。その他、前立腺がん、浸潤性膀胱がんや副腎の良性腫瘍に対する腹腔鏡手術など数多く手術をしています。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 等 162 1.20 2.80 0.00% 68.93  
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 等 90 0.90 2.42 1.11% 72.18  
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 64 1.70 3.88 4.69% 78.02  
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの 等 34 0.79 1.91 0.00% 60.62  
K5461 経皮的冠動脈形成術(急性心筋梗塞) 等 33 0.03 14.52 12.12% 74.00  

 

形成外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 24 0.54 1.96 0.00% 52.46  
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 等 21 0.86 3.62 0.00% 79.48  
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) 等 20 0.30 1.00 0.00% 62.50  
K0463 骨折観血的手術(手(舟状骨を除く)) 等 20 0.25 4.35 0.00% 49.10  
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 17 1.47 2.82 0.00% 58.12  

 

形成外科では、以前より皮膚腫瘍、皮膚悪性腫瘍、軟部腫瘍について近隣の医療機関から多くの患者さんを紹介して頂いております。手外科、足外科につきましては、指PIP関節、母指CM関節、手関節、肘関節の変形性関節症、外反母趾、関節リウマチの遺残変形等が増加し、それらに対する関節鏡下手術、人工関節置換術も増えております。また、手根管症候群、肘部管症候群等の紋扼性神経障害に対する紋扼解除術や腱移行による機能再建術が増加してきております。

耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 等 36 0.92 2.36 0.00% 59.89  
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ) 等 27 1.00 4.81 0.00% 62.33  
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除)(頸部外側区域郭清を伴わない) 等 16 1.00 4.75 0.00% 59.50  
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 14 1.00 3.29 0.00% 42.00  
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 11 1.18 3.82 0.00% 61.91  

 

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 63 0.51 9.22 20.63% 80.89  
K1781 脳血管内手術(1箇所) 等 18 1.39 23.22 44.44% 70.00  
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 等 17 4.88 36.59 17.65% 60.88  
K178-4 経皮的脳血栓回収術 13 0.08 23.15 84.62% 75.54  
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 等 12 3.92 5.00 0.00% 75.17  

 

脳神経外科の手術では、外傷後1,2ヶ月で生じる慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫洗浄ドレナージ術が最も多くなっています。局所麻酔下に手術を行い、約1週間で退院して頂いています。 脳腫瘍に対する開頭摘出術は顕微鏡下に行い、組織診断の結果によって放射線、化学療法等による集学的治療を行っています。 クモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤に対する治療は、血管内治療によるコイル塞栓術を行うことが増えており、脳梗塞の原因となる内頚動脈狭窄症に対するステント留置術や、超急性期脳梗塞に対する血栓回収療法等の血管内治療も増えています。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除、1肺葉超・手術用支援機器使用) 等 43 1.51 7.60 0.00% 70.81  
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 等 31 2.06 4.52 0.00% 72.77  
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 等 26 1.88 8.73 0.00% 72.19  
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 等 16 5.25 4.06 0.00% 28.69  
K513-2 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器使用)  –   –   –   –   –   

 

小児外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 52 0.77 0.31 0.00% 3.38  
K6333 ヘルニア手術 臍ヘルニア 等 17 0.59 0.41 0.00% 2.06  
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 等 13 1.23 3.23 0.00% 10.77  
K836 停留精巣固定術 10 0.80 0.60 0.00% 1.90  
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 等  –   –   –   –   –   

 

最も多い疾患は鼠径ヘルニア(だっちょう)です。嵌頓症状を来さなければ3か月以降の乳児から手術を行っています。嵌頓症状を起こせばそれ以前の手術も行います。入院期間は1歳未満では2泊3日、1歳以上では1泊2日です。2番目に多い疾患は停留精巣で精巣の機能が低下する前の手術が必要です。当院では1歳前後に2泊3日の入院で行っています。3番目に多い疾患は虫垂炎(もうちょう)です。虫垂炎は緊急手術の適応となり得る疾患ですが、炎症の状態によって、手術(開腹・腹腔鏡)や抗生剤による治療を選択しています。また当科では、虫垂炎は医療被曝を考慮し、腹腹部超音波での検査をまず行っています。

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 17 0.71 0.00% 67.88  
K5551 弁置換術(1弁) 等 11 3.82 17.64 9.09% 75.91  
K5601ニ 大動脈瘤切除術(上行)(その他) 等  –   –   –   –   –   
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 等  –   –   –   –   –   
K617-6 下肢静脈瘤血管内塞栓術  –   –   –   –   –   

 

腎臓内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 等 26 6.19 9.69 11.54% 74.15  
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 等 25 1.36 3.48 0.00% 76.16  
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施)  –   –   –   –   –   
K654 内視鏡的消化管止血術  –   –   –   –   –   
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)  –   –   –   –   –   

 

小児科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7151 腸重積症整復術 非観血的なもの 等 12 0.25 1.33 0.00% 1.50  
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等  –   –   –   –   –   
K745 肛門周囲膿瘍切開術  –   –   –   –   –   
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの  –   –   –   –   –   
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)  –   –   –   –   –   

 

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一  –   – 
異なる  –   – 
180010 敗血症 同一 40 0.27%
異なる 24 0.16%
180035 その他の真菌感染症 同一  –   – 
異なる  –   – 
180040 手術・処置等の合併症 同一 65 0.43%
異なる    

 

DPCコードにて分類される包括請求対象病名である最も医療資源を投入した傷病名が「播種性血管内凝固」、「敗血症」、「その他の真菌感染症」、「手術・処置等の合併症」について患者数を集計し、全退院患者さんに対する発症率を算出しています。入院の契機となった病名(入院契機病名)と同一か異なるかで集計をしています。異なる場合は、ある傷病名の治療目的で入院したが、入院後ここに示す傷病名の治療が主な対象となった場合を示します。「播種性血管内凝固」、「敗血症」は全身性の重症な病態で、DPCで高額な点数が設定されています。「手術・処置等の合併症」を含め細心の注意を払うと共に事前に起こりえる合併症について説明と同意に努めておりますが、一定割合で発生する病態であり、医療の質の改善とすべきものが対象とされています。

医療の質指標

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1,722 1,631 94.72%

 

肺血栓塞栓症とは、肺の血管に血栓(血のかたまり)が詰まって、突然、呼吸困難や胸痛、動悸などを起こす病気です。入院後、ベッドの上で足を動かさないでいると、足の血の流れが悪くなり、足の血管内に血栓ができやすくなります。その血栓が何らかのきっかけで肺まで流れて起こります。
手術後や寝たきりの方に発症することが多く、リスク評価を行い、医師の指示のもと、弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧迫装置を用いて予防対策を行っています。

血液培養2セット実施率

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
5,922 5,065 85.53%

 

広域抗菌薬を使用する際、投与開始前に血液培養検査を行うことは、必要不可欠です。また、血液培養は 1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されています。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1,257 1,175 93.48%

 

細菌培養実施率について、検査結果に基づき適切な広域抗菌薬を選択しております。

更新履歴

2024/10/01
2023年度病院指標を公表しました。

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