院内がん登録とは

院内がん登録とは、当院でがんの診断や治療を受けられたすべての患者さんについて、がんの診断・治療・予後に関する情報を「がん登録等の推進に関する法律」に基づいて登録する仕組みのことです。収集された情報を集計・解析することによって、当院におけるがん診療の実態の把握、がん診療の質の向上、がん患者さん・ご家族への支援に役立てることが出来ます。

登録の対象となる疾患は、上皮内がん、悪性新生物(原発部位)、および良性を含む脳腫瘍です。登録対象は当院での新規の診断症例、または他院で診断された初診症例(初発例、再発例を含む)となります。登録される情報は、がんの特徴(部位、組織型、進行度)、実施された医療行為(検査の種類、治療方法)、日付情報(診断日、治療開始日、死亡日)、および経路情報(来院経路、発見経路、退院経路)などがあります。「がん診療連携拠点病院等 院内がん登録 標準登録様式」の標準項目に沿い、国立がん研究センターがん対策情報センターの実施する院内がん登録実務者研修を修了した診療情報管理士が情報の登録をおこなっています。

院内がん登録件数

診断年
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
男性 815 847 811 882 914 904
女性 621 633 612 647 637 658
全体 1436 1480 1423 1529 1551 1562

診断年別、部位別(5大がん)、ステージ別件数

がんの発生部位として多い5大がん(胃・大腸・肝・肺・乳房)について、診断年(その年の1月1日から12月31日まで)ごとのステージ別件数を、がん登録推進法が施行された2016年の診断症例から集計しました。
原発部位ごと(臓器別)に1腫瘍1登録で、ステージは造血器腫瘍を除き、UICC TNMで分類しています。
「初発」とは、他院で初回治療を開始した後に受診された場合やセカンドオピニオンの場合を除いたものです。

男女別、部位別(5大がん)登録年数比較

5大がんについて、男女別に登録年次推移を表しました。
全体的に乳腺を除くと女性に比べ男性の罹患数が多い結果となりました。

院内がん登録の利用について

登録により収集された情報は、整理・集計され

  • 全国がん登録に届出
  • 国立がんセンターが実施する「がん診療連携拠点病院院内がん登録全国集計」等にデータ提供
  • 滋賀県がん診療連携拠点病院協議会がん登録推進部会によるがん診療連携拠点病院集計にデータ提出
  • 院内のがん患者さんの受療状況の把握
  • 院内のがん患者さんの生存率、予後調査
  • がんに関する医療活動の評価(統計)の資料作成

などに利用しています。

 

結果として、各病院のがん治療の方法や傾向を比較できるようになり、患者さんへのがんの治療に関する的確な情報の提供と意思決定のための支援ができます。医療従事者にとっても、診療行為の評価が可能となり、最善の診療方法を選択することが可能となります。

個人情報保護について

登録されている情報は患者さんの個人情報も含まれておりますが、国で定められた「個人情報保護法」および当院の「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」を遵守し、患者さんの情報を取り扱っています。

PAGE TOP