外来担当医表

外来担当医表

2024/03/01(金)

午前

榎本 匡秀

医師

榎本 匡秀

専門
虚血性心疾患
弁膜症
大動脈疾患
末梢血管疾患

ペインクリニック外来

白石 昭一郎

第一心臓血管外科部長

白石 昭一郎

午後

榎本 匡秀

医師

榎本 匡秀

専門
虚血性心疾患
弁膜症
大動脈疾患
末梢血管疾患

白石 昭一郎

第一心臓血管外科部長

白石 昭一郎

原則、予約診察となっております。ただし、予約外の患者さんの診察も行っております。
※青字は完全予約制です。

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特色

「標準的な手術を標準的な医療として提供できる」を理念に日々の診療を行っています。命に直結する大動脈、冠動脈、弁膜症、抹消動脈疾患から命には関わらない下肢静脈瘤まで成人における心臓血管外科の病気を幅広くカバーできる手術を提供する診療科です。湖西地域における心臓血管外科治療を、地域において完結するため日夜診療に励んでいます。手術に際しては滋賀医科大学心臓血管外科より支援をうけ、手術に臨んでいます。

治療対象疾患と手術内容(各疾患の詳細は次の項で説明)

心臓疾患

  • 狭心症:冠動脈バイパス術(人工心肺を用いないオフポンプバイパス術)
  • 弁膜症:僧帽弁閉鎖不全症には弁形成術、僧帽弁狭窄症や大動脈弁弁膜症には弁置換術
  • 心房細動:メイズ(迷路)手術(不整脈に対する外科的治療、弁膜症や冠動脈バイパス術との組み合わせで施行)
  • 成人先天性心疾患:心房中隔欠損閉鎖術、心室中隔欠損閉鎖術
  • 心臓腫瘍:心臓腫瘍摘出術
  • 収縮性心外膜炎:心膜切開術

大動脈疾患

  • 胸部大動脈瘤​
  • 人工血管置換術:開胸、人工心肺装置使用による胸部大動脈人工血管置換術
  • 胸部大動脈瘤ステントグラフト内挿術:小切開、人工心肺使用なし、頸部血管再建との組み合わせあり​
  • 腹部大動脈瘤
  • 人工血管置換術:開腹、多くは遮断下の血管置換
  • 腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術
  • 大動脈解離(スタンフォードA型):原則緊急開胸手術
  • 大動脈解離(スタンフォードB型):降圧療法、慢性期にステント内挿術

末梢血管疾患

  • 閉塞性動脈硬化症、急性動脈閉塞:下肢動脈バイパス術、内膜摘除術、血栓除去術
  • 下肢静脈瘤:下肢静脈瘤手術(血管内塞栓術、血管内焼灼術、結紮術、抜去術)
  • 慢性腎不全:透析用シャント造設術

各疾患の説明

冠動脈疾患(狭心症と心筋梗塞)

心臓の筋肉に酸素や栄養を供給している血管を冠動脈といいます。冠動脈内にコレステロールや血の固まりが溜まることで狭くなり、心臓の筋肉(心筋)への血流不足に陥った状態を狭心症と呼びます。主な症状は労作時の胸痛発作ですが、完全に血管が閉塞してしまうとその血流で養われている心筋は完全に壊死し、元の状態には戻りません。これを心筋梗塞と呼び、梗塞の範囲が大きい場合死に至ることもあります。

(出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス)

 

冠動脈バイパス術は、冠動脈に身体の血管の一部を移植して血流を増やす手術です。

 

(出典:https://meditrotindia.com/product/manipal-cardio-coronary-artery-bypass-graft-surgery-cabg/)

 

冠動脈バイパス術は、従来人工心肺装置を使用して心臓を止めた手術が行われきました。しかし冠動脈は心臓表面を走行しており、敢えて心臓を止めなくても手術を行うことが可能です。「血管を繋ぐ」ことのみ考えれば心臓停止の状態の方が、吻合は容易で確実です。しかし昨今手術の必要な患者さんは多臓器(脳や肺、腎臓など)に疾患をお持ちの事が多く、人工心肺装置の使用そのものが危険性を高めてしまうことがあります。

 

 

ここ15年間日本において、人工心肺装置を使わず心臓を動かしたままバイパスを行う心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)という低侵襲手術が6割を占めています。 当院では患者さんの年齢および心臓以外の全身状態を十分考慮し、手術方法を選択しています。

 

(出典:Circulation. 2004;109:1206-1211)

弁膜症

心臓には4つの部屋があります。血液は4つの部屋を一方向に流れるため、各部屋の間には逆流を防止する扉(弁)があります。弁の異常には弁が硬くなって狭くなる「狭窄症」と、弁の閉まりが悪くなり逆流する「閉鎖不全症」があり、これらを総称して心臓弁膜症といいます。

 

(出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス)

 

大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症に対しては、一般的に人工弁に置き換える手術、大動脈弁置換術を行います。特に高齢者の大動脈弁狭窄症の症例が近年増加しており、多数の合併疾患をお持ちの高齢患者さんは経カテーテル弁置換術の選択があり、適切な施行施設への紹介も行っています。人工弁には主に2種類あり、若い方(70歳未満)には血液の通過口が2枚の金属製弁で構成される「機械弁」を、高齢(70歳以上)の方には通過口がウシやブタの組織で作製された「生体弁」をお勧めしております。

 

(出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス)

 

僧帽弁閉鎖不全症や三尖弁閉鎖不全症に対しては、『弁形成術』を第一選択にしています。この手術はご自身の弁を残して修理するので、人工弁に比べて感染症に強く、血液をさらさらにする薬(ワーファリン)の内服も回避でき、患者さんには利点が多い手術です。

 

(出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス)

3.大動脈疾患(大動脈瘤、解離性大動脈瘤(大動脈解離))

大動脈瘤とは大動脈の直径が正常の1.5倍を越えて拡大した状態を指します。動脈瘤の存在する部位によって胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤に分かれます。多くの場合は無症状で、他の検査で偶然発見される場合が少なくありません。症状が無くても、ある一定以上に大きくなった瘤は破裂する危険性があり、破裂すると生命に関わります。破裂する前に手術を行うことが重要です。

 

(出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス)

 

解離性大動脈瘤(大動脈解離)とは大動脈の壁が突然縦方向に裂ける疾患です。その結果大動脈の壁は薄皮一枚となり瘤がすぐに破裂する危険性や、さまざまな臓器の血流不足をきたす危険性があります。上行大動脈に解離が起きた場合(スタンフォードA型大動脈解離)は、原則緊急手術が必要になります。上行大動脈以外の大動脈に解離が起きた場合(スタンフォードB型大動脈解離)は、多くの場合絶対安静の上、厳重な血圧コントロールで経過をみます。

 

(出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス)

 

大動脈瘤の手術方法には、人工血管置換術とステントグラフト内挿術があります。人工血管置換術は全身麻酔をかけ胸を大きく開けたうえで、瘤のある大動脈を切除し人工血管に置き換える手術です。胸部大動脈瘤の場合、人工心肺装置を使用し心停止・全身の温度を冷却して血液循環停止・脳へは選択的に脳灌流という方法を用い手術を行います。手術創の大きさのみならず、身体へ対する侵襲も大きいですが、一旦置き換わった人工血管に瘤が出来ることはなく、その後も安定した状態が約束されます。

 

(出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス)

 

一方、ステントグラフト内挿術」は、足の付け根を小さく切開するだけで、カテーテル法を用いステントグラフトを瘤内に挿入する低侵襲手術です。一般的な開胸手術に耐え難い患者さんはステント治療が非常に有用です。ただしステント治療後も瘤が小さくならず拡大する場合があり、術後定期的に瘤の変化を見ていく必要があります。当院は、ステントグラフト指導医が常勤しており、瘤の部位・形態、患者さんの状態に応じて、患者さんに最適な手術方法を選択いたします。

 

(出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス)

 

上行大動脈に解離があるスタンフォードA型の大動脈解離に対しては、全身麻酔、開胸手術が必要です。手術方法は上記の大動脈瘤と同様ですが、病気は突然発生し、血圧などが非常に不安定な状態での緊急手術であることより、危険性は高くなります。手術を無事に乗り越えることが出来れば、その後は手術前と同様に日常生活へ復帰することが可能です。

末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症、急性動脈閉塞など)

閉塞性動脈硬化症とは、足の血管が細くなり血流が低下する病気で、ある一定の距離を歩くと足が痛くなり休むと改善するという症状が特徴的です。病気が悪化してくると安静にしていても足に痛みが生じ、さらに血流が途絶えると足が腐り、下肢切断が必要になることがあります。治療は人工血管や体の血管を用いたバイパス手術を行い、足の血流を改善します。当院では膝より上だけでなく、膝より下の細い動脈に対するバイパス手術も積極的に行っております。

 

(出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス)

下肢静脈瘤:下肢静脈瘤手術(血管内塞栓術、血管内焼灼術、結紮術、抜去術)

足の静脈には、血液が逆流しないように弁が付いていますが、長時間の立ち仕事や妊娠・出産、肥満などの原因により、弁が壊れてしまいます。すると血液が逆流して血液がうっ滞してしまい、静脈が瘤のように太くなります。これが下肢静脈瘤です。症状が軽ければ、弾性ストッキングで経過観察します。湿疹、皮膚炎、色素沈着、潰瘍などがある場合、以前は静脈瘤抜去術や結紮術などの手術を行っていましたが、近年、局所麻酔で施行可能で、創も小さく(1-2mm)、必ずしも入院を必要としない、血管内治療が行われてきました。当院では、日帰りもしくは1泊入院で血管内焼灼術や血管内塞栓術(グルー)を行っております。

 

(出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス)

慢性腎不全:透析用シャント造設術

当院では腎臓内科と協力し、維持透析に用いる内シャント造設術も積極的に行っております。

手術実績

内容 2020年 2021年 2022年
総手術件数 115 159 142
心臓・胸部大動脈手術 44 77 91
冠動脈バイパス術(単独) 7 11 14
弁膜症手術(合併手術を含む) 20 29 28
胸部大動脈手術 人工血管置換術(開胸) 6 19 22
ステントグラフト内挿術 10 14 8
他開心術 2 1 3
腹部大動脈手術 人工血管置換術等(開腹) 9 17 11
ステントグラフト内挿術 34 26 15
末梢動脈手術 1 4 2
静脈瘤手術 21 31 48

 

スタッフ紹介

第一心臓血管外科部長

白石 昭一郎

認定専門資格
日本外科学会認定医・専門医
日本胸部外科学会認定医
心臓血管外科専門医・修練指導者
下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医・指導医
卒年
1985年

医師

榎本 匡秀

専門
虚血性心疾患
弁膜症
大動脈疾患
末梢血管疾患
認定専門資格
日本外科学会外科専門医
三学会構成心臓血管外科専門医認定機構心臓血管外科専門医
腹部ステントグラフト指導医・実施医
下肢静脈瘤血管内治療指導医
胸部ステントグラフト実施医
卒年
2011年
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