症例・治療・成績
2021年の手術6657(6649)件中(以降、単位省略、カッコ内は2020年の件数)、麻酔科管理件数は 2191(2205)です。うち全身麻酔は 2095(2116)、全身麻酔のうち神経ブロック(硬膜外、クモ膜下、末梢神経ブロック)を併用するものは 1014(965)です。また緊急手術は 209(187)でした。全身麻酔以外は、脊椎麻酔硬膜外 69(82) 硬膜外麻酔 2(1)脊椎麻酔 5(1)です。麻酔科管理症例は、1999年1730、2000年1859、2001年2011、2002年2041、2003年2053、2004年2261、2005年2159、 2006年2134、2007年2035、2008年1872、2009年2022、2010年2121、2011年2210、2012年2024 2013年1974、2014年1955、2015年1964、2016年1935、2017年1957、2018年2068、2019年2282、2020年2205という数字でも分かるように、2004年をピークに減少しました。2007年の常勤麻酔科医数は4人でしたので、2004年の6人から33%減少でしたし、条件が合わないため非常勤医師も減らされてしまいました。必然的に麻酔科管理件数は減少しました。それでも2008年の症例数は2004年に比べて10%位しか減っていませんので、麻酔科側の負担は過大になっていました。2009年は常勤医師非常勤医師ともに増えましたので麻酔科管理症例数も増え、2010年、2011年も増やしましたが、2012, 2013, 2014, 2016, 2017年は麻酔科医の人数が減っています。内視鏡手術が増えてきたので、平均手術時間が増えています。症例数だけでは分からない手術時間増加つまり麻酔科医勤務時間増加もあります。2015年8人の麻酔科常勤医で麻酔科管理症例数1964、2017年は6人の麻酔科常勤医で麻酔科管理症例数1957でしたので、2017年は麻酔科にとって負担が大きい年でした。2018年は新しい人たちが来てくれて平均年齢も下がり、麻酔科管理症例も増えました。2019年も人が増えましたので、麻酔科管理症例を増やすことができました。2020年はCOVID-19で症例が減った影響がありそうです。2021年は年度末に人が減って、実働人員が2/3になりましたので、麻酔科管理件数は減ります。
2021年の各科別麻酔科管理症例数は、呼吸器科 155(154)、外科 703(661)、小児外科115(132)、心臓外科86(86)、整形外科 286(299)、形成外科135(129)、泌尿器科 122(130)、産婦人科299(302)、耳鼻科207(175)、脳外科 54(83)、眼科3(3)、歯科 75(79)、内科4(7)でした。
当院のもう一つの特徴は緊急手術の多いことです。麻酔科管理症例 2191(2205)中、 209(187)が緊急手術です。2021年は全体の10%が、24時間以内に手術をしなければ患者の予後に重大な影響を及ぼす手術だったことになります。
一般病院ですが、小児症例が意外と多く、6歳未満の手術が124例あります。
適応症例にはエコー下神経ブロック(上肢、下肢、体幹)を積極的に行っています。
2007年から疼痛外来(ペインクリニック外来)を行っています。外来他科からの紹介と入院患者のみを対象にしています。局所麻酔薬によるブロックだけでなく、透視下の神経破壊薬を用いるブロック、硬膜外カテーテルの長期留置、クモ膜下カテーテル、ポート埋込みを行っています。高周波熱凝固装置はありません。
基本的に、がん性疼痛に対応するための、神経ブロックの窓口として開いた外来です。
ICUでの患者管理についても、主治医からの求めに応じて、出来る範囲でICUに出張するようにしています。手術室とICU が別棟にあることが不便なところです。